菓子用木型と和三盆を使った干菓子の製造販売を行う「木型干菓子工房 ゆらり」は、北海道開拓記念塔を間近に望む厚別の住宅街にあります。自宅に併設した僅か三畳ほどの店舗兼工房。2011年10月の開店以来ここを独りで営むのが、全国でも数少ない菓子木型職人の池亀由紀さん。菓子木型とは、練切や饅頭、和三盆などの和菓子を成形する際に用いる木型のこと。発祥は江戸時代までさかのぼると言われほどの古くから使われてきた伝統的な菓子製造の道具です。

 

20150911-_MG_9016

20150911-_MG_8987

菓子木型職人を志す前は、家具職人として3年ほど会社勤めをしていた池亀さん。あるとき菓子木型を目にしてその美しさに魅了され、「自分でこれを作ってみたい」と元来の職人気質に火が着きます。ほどなく、インターネットで調べた香川県の高名な木型職人の元へ飛び、弟子入りを申し込むも「弟子は取らない」と断られたそう。それでも諦めきれなかった池亀さん、その後何度も押し掛けるように足を運びつつ、多くを独学により、木型彫りの技術を習得します。
「正式に師匠から習ったとは名乗れないし、経験も浅いので『職人』と自ら言うのもおこがましくて、名刺の肩書きには菓子木型・干菓子製造とだけ書いているんです」と笑う池亀さんですが、すでに制作したオリジナルの菓子木型は100を優に越えます。

20150911-_MG_9011

開店にあたって「札幌で干菓子の店は馴染みが無いので無理」と周囲からは反対する声も多かったと言います。しかし逆に珍しさも手伝って道内のマスコミに取り上げられることも多く、今や茶道のお茶菓子や普段使いのおやつとして、ここの干菓子を買い求めるリピーターが多いとか。「『美味しい』という感想ももちろん嬉しいですが、『カワイイ』と言ってもらえると達成感がありますね」。
カメラや靴、飛行機、珈琲カップ、北海道にちなんだ題材など、ポップなデザインが多いのも「ゆらり」で販売する干菓子の特徴。「個人的には古典柄も好きで彫るんですけど、札幌ではあまり干菓子として売れないので(笑)」。

20150911-_MG_9005

干菓子の販売のため店を開けるのは偶数日の午前9時から午後5時。奇数日はもっぱら木型制作にあてています。木型の精度は干菓子そのものに現れます。「ゆらり」の干菓子を見て、個人、菓子店問わず、全国から木型制作の注文が届きます。わざわざ本州から「質のいい木型を探していた」と直接依頼に訪れる和菓子店もあるとか。
そもそも池亀さんが最初にひかれたのは「道具」としての菓子木型彫刻。
「木型は存在そのものが美しいのにそこで完結していなくて、使う人によって違うものが作られるという、『道具』としてのおもしろさがあるんです」。

20150911-_MG_9022

 

木型干菓子工房 ゆらり

所在地 札幌市厚別区厚別東4条9丁目4-15
TEL 090-9521-6697
営業時間 偶数日の9:00~17:00
定休日 奇数日
URL http://higayurari.exblog.jp

※各種情報は記事掲載当時のものです。現在は変更となっている場合がございます、予めご了承ください。

札幌市厚別区厚別東4条9丁目4-15

地図の詳細をみる

「この街で暮らしたい」を、叶えます。 RCスタイル札幌 オフィシャルサイトへ

「この街で暮らしたい」を、叶えます。 RCスタイル札幌 オフィシャルサイトへ