洋服がメインディッシュなら、小物は前菜(アンティパスト)。そんな小物たちを入口に、ブランドの世界観が広がる『ANTIPAST(アンティパスト)』というファッションブランドがあります。『ANTIPAST』のメインアイテムは、ファッションブランドでは珍しい”靴下”。
そこにスポットを当て、『ANTIPAST』をメインブランドに、2003年にスタートしたのがこちらのショップ、「antieMerukurVesenyi(アンティメルクールベサニー)」。オープン時には、なんと1800足の靴下を集めたとか。
「1枚では完結しないアイテムが多いんですが、だからこそ自分らしい着こなしが出来るんです」と店長の渡部祐子さん。何だかちょっと難しそうにも感じる、個性的な靴下のコーディネートのコツをお聞きすると、「デニムパンツに色物を合わせても良いですし、靴の色とボトムスの色を繋ぐように、両方の色の入ったものを合わせるとまとまります」とのこと。
店内に並ぶのは『ANTIPAST』だけではなく、『ANTIPAST』と相性の良い、選び抜かれたブランドのアイテムたち。ちょうちょのモチーフで有名な『mina perhonen(ミナペルホネン)』や、世界観のあるカゴバッグが素敵な『ebagos(エバゴス)』など。どれも流行ばかりを追いかけたものでなく、デザイン性の高さや素材の良さが光ります。
また、長く着てもらいたいとの思いから、ケア用品の取り扱いも。『Murchison-Hume(マーチソンヒューム)』の衣類用スプレーは、着る前にも掛けておくと、汚れが付きにくく落としやすい状態になるそうです。
大事にしているのは、「お客様それぞれが”ずっと着ていきたい”と思えるものを見つけてもらう」ということ。「コーディネートに迷わないように、例えばシューズを買われるお客様であれば、必ず靴下やボトムスの組み合わせを数パターンご提案します」と話す渡部さん。その「必ず」という力強い言葉の響きには、可愛い我が子をお嫁に出すような、そんな愛情が感じられます。
「人と被らない、一味違った、自分だけのスタイルを見つけたい」、そんな方は、まずは1足、「antieMerukurVesenyi」でお気に入りの靴下を選ぶところから始めてみてはいかがでしょうか?
今回ご紹介したアイテム:靴下(ANTIPAST)¥2,200~/カゴバッグ(ebagos)¥35,000~/各種ケア用品(Murchison-Hume)¥850~
TEXT / 松尾 奈苗
PHOTO / 星澤 千尋