札幌の都心から車でわずか20分、冬はスキーヤーやスノーボーダーで賑わう「ban.K」ですが、スキー場のオフシーズンも、テニス、パークゴルフ、ツリーアドベンチャーなど、ファミリーからシニアまで、豊かな自然の中で一日中楽しむことができるプレイゾーンです。
数ある「ばんけいの森」の施設の中で、今回フォーカスするのは、ロッヂ内のカフェ「BERG HÜTTE〈ベルクヒュッテ〉」です。
内外装にカラマツ材をふんだんに用い、木のぬくもり溢れるトラディショナルなロッヂを感じさせる同店。夏期期間は、ちょっとオシャレな「大人のカフェ」をテーマに営業をしています。
この地の地下水を使用して、サイフォニストが丁寧に淹れるコーヒー
まず注目すべきは、サイフォニストの山口豊さんが淹れる、こだわりのコーヒー。オーダーを受けてから豆をミルに掛け、サイフォンで一杯ずつ丁寧にコーヒーを抽出する山口さんの繊細な所作は、この道を極めた匠の雰囲気が漂います。
「サイフォンで淹れるのは、目に見える動きとしての演出効果もありますが、その豆の持っている味わいを一番素直に出せる方法でもあるんです」
また、コーヒーの味に影響を与える「水」も、ここならではの恵まれた条件がありました。使用しているのは、ばんけいの地中深くから汲み上げて水質管理を施した地下水。「地層が濾過した地下水は、雑味が無く、とてもおいしい」と山口さん。
そして、コーヒーを注ぐ器は、すぐそばで工房「ねんど小屋」を構える作家が、ばんけいの土を使用して制作したオリジナルカップ&ソーサーです。ちょっと大振りのカップなので、ゆっくりとそのひとときを楽しむことができます。盤渓の地下水でいれたコーヒーが、盤渓の土で作った器で提供されると知ると、「特別なおもてなし」に思えて、より一層コーヒーの味が引き立ちます。
長沼の農家直送、朝採り新鮮野菜のバイキング
ロッヂ1階のエントランスでは、毎年6月中旬から11月頃まで、野菜直売所「森のやさい屋さん」がオープンしています。土の質が良く、野菜に甘みがあると評判の長沼産の野菜が、その日の朝に畑から収穫して届けられます。スーパーではあまり見かけない珍しい新顔の野菜も多く、目にも楽しいコーナーです。
その「森のやさい屋さん」とのコラボ企画として、BERG HÜTTEが今年から始めたのが「野菜バイキング」です。
前菜・サラダはもちろん、和・洋・中華料理、スープ、パスタ、デザートなど、新鮮な長沼産朝採り野菜をふんだんに使った豊富なメニューが日替わりで取り揃えられます。料金は大人1,300円、小学生以下800円、3歳以下無料。バイキングのお客様には、前述のサイフォン・コーヒーが350円で飲むことができます。〈野菜バイキングの営業は11:00〜15:00〉
「抗糖化ダイエット」の参考レシピとしても
平日は女性同士のグループでの利用が多く、週末にはファミリーの来店で店内が賑わうそう。「野菜バイキングという名前ですが、パスタやサンドイッチ、ライスもご用意していますので、男性の方にもたっぷり食べていただけるバイキングですよ」と、営業部課長の大場慎一さん。最近、アンチエイジングやダイエットに有効とされる「抗糖化」メニューが注目される中、「こういう野菜の食べ方もあるんだ」と、家庭で参考にする方も多いと教えてくれました。「ここで美味しい食事を味わって、帰りに『森のやさい屋さん』で新鮮野菜を購入して、家庭でメニューを再現するという流れも良いかと(笑)」
目に優しい緑の木々や草原を眺めながら、体に優しい野菜料理と、美味しいサイフォン・コーヒーを味わう。忙しい日常を忘れて、ここBERG HÜTTEで、ゆったりとした時間に身を置いてみるのはいかがですか?
TEXT / 堀田正紀
PHOTO / 田村茂雄