中島中学校西隣、通りから少し引っ込んだ三階建てのビル。「華僑会館」と看板は出ていますが、外からは、ちょっと中の様子を伺い知れない感じです。この会 館は二十年ほど前、札幌に住む中国人や地域住人の交流の場として建てられました。一階は中華料理店。二階は気功教室などが行なわれる多用途ホール。そして 三階は中国鍼灸の治療院があります。中華料理店「養源郷」は、知る人ぞ知る本格中華の人気店。中国料理の国家資格最高位を持つ料理長をはじめ、実力ある三 人の中国人が腕を振るいます。店長の劉志義さんは、黒龍江省出身で、二十年前に語学留学生として来札。以来、この店で働いてきました。最初の頃は、注文を 忘れたり、間違ったりと、慣れない日本語の接客に苦労したそうです。
人気のランチメニューは、18品の中からお好みで4品セレクトできて七百円。この価格は開店以来十五年変わっていません。
「安全、安心な料理を提供したいので、鮮度の良い道産の素材にこだわって使うようにしています」と劉さん。
「僕にとって、ここに来てくれるお客さんは家族と同じ。だから、心のこもった料理とサービスを安価で提供したいんです」。普段使いにも、特別な日の宴席にも利用できる、コストパフォーマンスに優れた店です。
TEXT / MASANORI HORITA
PHOTO / SHIGEO TAMURA