表通りから一本なか道に入った住宅街に、小さな民家を利用したアンティーク雑貨の店「Rose’s house」 はあります。
「ここを見に来たとき、まるでお化け屋敷みたいだったんだけど、道からちょっと高いところに建っている、その佇まいが気に入って借りました」と話すのはオーナーの平田典子さん。店内には、主にアメリカから個人輸入した、アンティークの文具や食器、小物、ぬいぐるみ、ファブリックなど、値ごろ感のある商品が所狭しと置かれています。「同じ系統のものをごちゃっと仕入れたりするの。実家が八百屋だったから〈ひと山いくら〉が好き」と笑う平田さん。海外業者とのやりとりでは苦い経験もしてきました。入金しても品物が届かなかったり、ビンテージの指輪を注文したつもりが、夜店で売ってるようなチープなものが送られてきたり。平田さんは「それもこれも勉強」とポジティブ思考。
店の二階の二部屋はレンタルルームとして開放しています。テナントを借りるまでもないけれど、やりたいことがあるという学生や主婦が、ワンデーショップなどに利用するそうです。料金は一日五百円と格安。
「私も自己資金ゼロから店を始めたので、前に踏み出したいという人を応援したいんです」利用した人から情報が口コミで広がり、今は当初の予想を超える稼働率だとか。
「おばあちゃんの家で育ったせいか、古いものに囲まれているだけでリラックスする」という平田さん。一軒家を改装して作られた店内は落ち着きがあり、ついつい長居してしまいそう。
「お客さんも、自分の家だと思って気軽に訪ねてきてほしい」と語る平田さんでした。
TEXT / MASANORI HORITA
PHOTO / SHIGEO TAMURA